ジャイアントパンダの繁殖期の対応について
【2024/1/25】
上野動物園で飼育しているジャイアントパンダの繁殖期が近づいてきたため、今後、発情の兆候が見られた場合は速やかに交配などに向けた環境を整えられるよう、準備を進めてまいります。
つきましては、繁殖期の対応についてお知らせいたします。
対象動物
ジャイアントパンダ
リーリー(オス) 2005年8月16日 臥龍保護センター生まれ
シンシン(メス) 2005年7月3日 臥龍保護センター生まれ
繁殖について
ジャイアントパンダの繁殖期は一般的には年1回、2月から5月にやってきます。この期間中にメスの妊娠の可能性が高まるのは数日間だけです。
当園では自然繁殖をめざしており、メスの交配適期を見極め、交配のための同居をおこなう予定です。
なお、メスのシンシンについては、現在、血圧に高い値が見られ、投薬治療を続けていることから、個体の状態について注意深く観察をしており、動物の健康第一で取り組んでまいります。
繁殖期の対応
繁殖期のリーリーとシンシンの状態・行動などを確認しながら、原則として以下の対応をしてまいります。
① 同居の実施について
交配のため、リーリー(オス)とシンシン(メス)の同居を数日の間に複数回実施する予定です。
② 展示について
開園中に強い発情の兆候が見られた場合、パンダが繁殖に集中できる落ち着いた環境を整えるため、西園「パンダのもり」ジャイアントパンダ舎及びキジ舎周辺の立入り規制をおこないます。これにより、ジャイアントパンダ全頭(リーリー、シンシン、シャオシャオ、レイレイ)及びキジ類の展示は中止となります。ご理解・ご協力いただきますようお願いいたします。なお、シンシンは放飼場工事のため、1月26日より原則展示中止となります
展示の有無についての情報は、上野動物園公式サイトや上野動物園公式X(旧Twitter)、入園門への掲示でご案内します。
※動物の健康状態などの理由により、レッサーパンダ舎を含む「パンダのもり」全域を立入り規制する場合があります。予めご了承ください。
放飼場の工事について
1月26日(金)から、放飼場工事のため、展示場所の変更を予定しています。なお、シンシンは原則として非公開となります。こちらをご覧ください。
現在の状況
リーリーは、逆立ち排尿やマーキング、体のこすりつけの回数が増えるなど、繁殖期によく見られる行動があらわれています。
一方、シンシンには今のところ外陰部の形状変化や体の一部を冷やすなどの行動の発現、発情期特有の鳴き声など発情を示す兆候は見られていません。
過去の経緯
シャンシャンを出産した2017年の経過
●発情期
2016年 12月8日頃 オス(リーリー)に繁殖期に見られる行動があらわれる
2017年 2月15日頃 メス(シンシン)に発情兆候が見られ始める
2月22日 展示中止
2月27日 同居実施、交尾行動を確認
2月28日 メスの発情が収束に向かう
3月1日 展示再開を報道発表
3月2日 展示再開
●交尾後
5月16日頃 シンシンの採食量減少、休息時間の増加などの変化が見られ始める
5月20日頃 尿中のホルモン代謝物に変化が見られる
5月25日 出産に向けシンシンの展示を中止
6月12日 出産
シャオシャオ・レイレイを出産した2021年の経過
●発情期
2020年 11月中旬頃 オス(リーリー)に繁殖期に見られる行動があらわれる
2021年 2月23日頃 メス(シンシン)に発情兆候が見られ始める
3月4日 同居の準備(臨時休園中)
3月6日 同居実施、交尾行動を確認
3月9日 メスの発情が収束に向かう
●交尾後
5月23日頃 シンシンの採食量減少、休息時間の増加などの変化が見られ始める
5月20日頃 尿中のホルモン代謝物に変化が見られる
6月4日 再開園するが、出産に向けシンシンの展示を中止
6月23日 出産
(2024年01月25日)